安芸高田市高宮町 大狩山 (591.1m)    


新たに登山道が整備された歴史を感じさせる里山

南側、横田の竹之内川上流のため池からの大狩山展望



今年、地元高宮町のボランティアにより新たに登山道が整備された高宮町と美土里町の境にある大狩山に登ってみた。今年6月13日に高宮町で山開きの登山が行われたばかりの山である。

この山には中国道高田ICから高北広域農道を通って来女木の茂谷地区にある「砂防公園」への案内板に従って右(西)に道をとり、大谷にある砂防堰堤の周辺を公園化した大狩山自然の森の駐車場を起点として登る。

この堰堤下には休憩所とトイレが設置され広い駐車場があるのでここに車を置いて、堰堤の右岸についた道を登っていく。堰堤を越えると川に沿って砂利の敷かれた広い道を進み、橋を渡って今度は左岸沿いの砂利道を奥に進むと、右に「炭焼釜跡」の横に登山道周回コースの下山口を見て、さらにしばらく行くと登山口に着く。

登山口には水飲場が設置してあり、ここから樹林の中の登山道となる。
沢を右に見ながら雑木林に覆われた樹林の中を進む。ご親切にも木々には名札がつけられており誰でも木に親しむことができそうだ。

しばらく歩くと「かんな流し跡」の案内板があり、窪んだ溝を見て古き時代を連想する。
少し足下に岩が多くなり歩き難くなったところで右手にヒコバエのたくさん出たイヌブナが現れる。
一旦丸太橋を渡って左岸に沿って進むと右手に「大鍛冶屋跡」への案内板。ちょっと寄り道して植林の奥に入ると「吹子跡」、「大鍛冶屋跡」、礎石の残った「神社跡」がある。昔たたら製鉄の名残りが感じられるところである。
登山道に戻り殺風景な植林のなかを過ぎると杉と雑木の混じった林を登るようになる。

再び植林にはいると林床にアケボノソウとカシワバハグマが花を咲かせている。
道が少し急坂になるとロープが張ってあるがそれを持つほどではなく尾根に出る。山頂に向けて右にターンしながら進むと主稜線の三叉路に出る。ちょうど高宮町と美土里町の境界柱が立っている。
稜線はマツを中心とした雑木林で周りの林床にはササが多く見られるようになる。そして、左側が開けると二等三角点のある山頂に到着する。

山頂は南から西側が切り開かれて展望がよい。
麓の美土里町横田の集落を通して鷹ノ巣山・金明山・白木山・堂床山・猿喰山などが一望できる素晴らしい眺めである。


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休憩所前駐車場から堰堤と大狩山を望む まずは駐車場からスタートして堰堤の左側を登る
堰堤内に入ると砂利道が奥へと続く 砂利道を詰めたところが登山口
水場があるところから山道に入るので、ちょっと一杯 雑木林の中の沢沿いの登山道が続く
左手に「かんな流し跡」が すこし荒れて歩き難い道が続くと
ヒコバエのたくさん出たイヌブナが登場 丸太橋を渡って左岸に沿って進む
昔タタラ製鉄の大鍛冶屋跡が その奥には礎石の残った神社跡も
登山道は植林の中に 直ぐに雑木の混じった林に変わる
尾根への急坂道にはロープが 尾根に出ると山頂に向け右に曲がる
稜線の町境界三叉路、東からの道と合流 ササ床の尾根道を進むと
左側か開け大狩山頂に到着 山頂二等三角点
山頂から南側展望(手前小津古山・津々羅山・美土里町横田の集落、後ろに鷹ノ巣山・金明山・白木山・堂床山など)
山頂から南東展望(カンノ木山・鷹ノ巣山・金明山など)
山頂から南展望(白木山など)
山頂から南南西展望(津々羅山・堂床山など)


下山は西周りに稜線伝いに雑木林の中を進む。一旦下って次のピークを北西に向けて下ると昔尼子藩が山陰と山陽を結ぶ道として使っていたという「尼子道」が約1kmわたって続いているのでこれを歩く。キッコウハグマがかわいい花をつけて群れている。

ピークを巻いて稜線を分けた峠に登ると右の尾根に道をとり、東に向けて歩くとピークの大きなマツの木のそばに昔和泉式部がこの近くの鳥時峠に来て詠んだといううたが書かれていた。この鳥時峠は先程通った峠を西に行けばここに着く。

さらに緩やかな山道を下って行くと前方が開けて北から北東側の展望が開ける。
ここには「財産区林展望地」とあり左側の切り開きからは三瓶山もくっきりと望める。そして、少し東に移動するともっと東側の展望が望め三次方面にはなだらかな台地が広がっているのが分かる。

さらにどんどん下ると往路に通った「炭焼釜跡」の上に出る。釜の口と煙突の跡まで残っている。
そして、そのまま堰堤沿いの道を駐車場のある休憩所まで下る。

この登山道は道中案内標識がしっかり設置されており誰でも迷うことなく気楽に歩くことができるだろう。そして、少し急な坂道には必ずロープが設置してありいたれりつくせりである。
一番気に入ったのは階段などを設けることなく自然のままを登山道として整備されており、古き時代のロマンを思い起こしながら楽しめる登山道であった。
そして、周りの木々につけられた名板は植物に興味のない人でもつい見て、これがあの木かと知らず知らずの内に頭に入るのではなかろうか。
尽力された皆さんにはご苦労さんでしたと言いたい。


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山頂から稜線を西に進んで ピークから右に下る
下ったところからが尼子道、ここから約1kmの間 次のピークを巻いて雑木林の中を行く
稜線三叉路を案内板に従い右の東側尾根に 東への尾根道ピークには大きなマツの木が
和泉式部がこの近くの時鳥峠で詠んだといううたが 財産区林展望地からは北から北東の展望が開ける
展望地から北側展望(犬伏山・三瓶山など)
展望地から三瓶山展望
展望地から北東展望(三次市方面の台地)
展望地から北北東側展望(女亀山・布野冠山・大万木山など)
女亀山・布野冠山・大万木山展望
尾根に沿って下っていく 急坂を下ると下山口も近い
大鍛冶屋炭釜跡、上部に煙突あり 下山口は炭焼釜の下、ここから堰堤左岸の道を休憩所へ

 [コース&時間

 休憩所P(390m)
  ↓0:10
 登山口(310m)
  ↓0:10
 大鍛冶屋跡(425m)
  ↓0:40
 尾根(560m)
  ↓0:20
 大狩山山頂(591.1m)
  ↓0:17
 尼子道取付(340m)
  ↓0:13
 財産区林展望地(545m)
  ↓0:15
 下山口(390m)
  ↓0:10
 休憩所P(360m)

 (注)時間・標高は参考値   
   



山の
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アケボノソウ サワヒヨドリ
カシワバハグマ コウヤボウキ
アキノキリンソウ アキチョウジ
キバナアキギリ ノダケ
ウメバチソウ
ナツハゼ サルナシ
ミヤマガマズミ ウメモドキ


H16.10.6