広島県西城町 猫 山 (1,195.5m)
Part9


暑いなかを汗を流して登っても山頂の草原は涼しい風が吹きぬける花の楽園

南峰からの猫山山頂展望



この山には登り始めてすでに二桁は登っている山である。山自体は昔この周辺で盛んだったたたらのため木はすっかり切られて山のほとんどが二次林となっているが、蛇紋岩という特有の地質から結構植物は楽しめる山である。
今日はこの山の植物観察を主体にいつもより時間をかけて登った。

登山口の湿地ではさっそくクサレダマ・シモツケソウ・アキカラマツなどがお出迎え。
暑い日々が続くなか登山口から登り始めると幸いなことに樹林のなか、スキー場と並行に緩やかな傾斜の山道を登っていく。
この山の登山道は現在は一本しかないので迷うようなことはまずない。昔は小奴可に下山する道もあったが今は通る人もなくヤブっており山頂往復が一般に通られる道である。

植林の点在するスキー場沿いのこの道もあまり面白くないところだが、よく見て歩くと結構色々なものが目にはいる。ダイセンミツバツツジとコバノミツバツツジが混在しウスギヨウラクも見られる。ハウチワカエデ・コハウチワカエデ・コゴメウツギ・ハリミイヌエンジュ・アカシデ・マルバアオダモ・ナナカマド・ナツハゼ・タムシバ・ダンコウバイ・タムシバマンサクなど多彩。

やっとこさスキー場の上部のリフトに着くと一汗かく。道後山の展望でも楽しもう。
おっと、登山道のほとりにモウセンゴケの群落がありちょうど花をつけており心休まる。

ここから少し急登を登ると右にターン。そのまま真っ直ぐ薄い踏み跡があるがこれは行っても行きどまりだ。
トラバースぎみに横移動すると水場だがこのところ雨が降っていないせいか今日は枯れ沢で全く水は流れていない。
さらに進むとクマシデやカエデの大木の見られるところに「山上さん」があり地蔵さんが三体祀られている。地元の人は以前はここまでよく登っていたとか。

杉林の植林を登り下りしながら高度をかせいで行くと右手が開け再び道後山が望める。
このトラバース道の周りをよくみるとなんとヤマヒョウタンボクの木が多い。そしてクジャクシダも見られる。足下にはオオバノトンボソウもちようど見頃。すでにアキチョウジやサンインヒキオコシも花をつけている。

ジグザグの道を登ると支尾根に到着。いよいよここから正念場の山頂への直登がはじまる。
周りは細い尾根になつており雑木の二次林が続いている。この山に多いツシマママコナの残り花がまだ咲いていた。
ナナカマドもあちこちで見られるようになり、なんとクロソヨゴが多いのが特に目につく。
登山道にそってホツツジも多く見られるが花期には少し早そうでまだつぼみも固く一部開花が見られただけ。

ここから山頂には途中2箇所の急登がある。最初の急登を過ぎると一旦少し緩やかとなり再びこれでもかの急登が始まる。
この辺りからササ床にミズナラも多くなって急坂を過ぎるとブナ林が広がるが木は二次林のため細くてあまり見栄えはしない。
ソバナや立派なオオバノトンボソウも見られて目をたのしませてくれる。

そして行き着いたところが岩の上に二等三角点の立った猫山山頂にようやく到着。イブキトラノオが我々を歓迎してくれた。

ここからブナ林のなかを南に約50m進むと前方が開けて草原に出る。これまでとはうつて変わった眺めがひろがっている。
この山の核心部はこの草原にあり蛇紋岩特有の花々が顔を見せてくれる。この花たちは詳しくは紹介しないので写真で見てほしい。

今日はどういう訳か霞がかかつて遠くの眺めがあまり良くない。いつもなら西に比婆山や福田頭、南に白滝山、東に多飯ケ辻山などがくっきり望めるところだがシルエットすら見ることができなかった。

いつも行く南峰にもちょっと足をのばして見たがあまり登る人も少ないのでそれだけに自然が残っていてまた楽しい。
ここからさらに真っ直ぐ南に下って行くと小奴可の集落に下るが、最近は途中からすっかりヤブ゙ってしまい分かり難いところも多く物好きな人だけのルートとなってしまった。一般には往路に戻ってこちらには足を踏み入れない方が賢明だろう。

今日は往路を下山してスキー場の駐車場まで下る。


・・・・・・・・・・
登山口 山上さん
植林内のトラバース道 この道を登ると支尾根にでる
登山道から道後山・岩樋山の展望、ちょっと霞がかかって眺めはいまいち
l
支尾根の登山道は雑木林 急坂を登るとミズナラがあちこちに見えてくる
山頂に近づくにつれてブナも多くなるが全て二次林の小木 山頂三角点は岩の上
山頂から50m南に進むと大草原が広がり南峰と白滝山が望める
南峰の草原
南峰から猫山山頂展望




 ルート&時間

 登山口(610m)
  ↓0:50
 スキー場上部(850m)
  ↓0:15
 山上さん(900m)
  ↓0:14
 支尾根(950m)
  ↓0:50
 猫山山頂(1195.5m)
  ↓0:02
 草原(1,195m)
  ↓0:15
 南峰(1185m)
  ↓0:10
 草原(1195m)
  ↓0:02
 猫山山頂(1195.5m)
  ↓1:20
 登山口(610m)

 (注)時間及び高度は参考 
   GPSトラックを掲載
   植物観察しながらのた
   めあまり時間は参考に
   ならない




山の
シモツケソウ クサレダマ
ノギラン モウセンゴケ
オオバノトンボソウ オオバノトンボソウ
・・・・・・・・・・
サンインヒキオコシ ツシマママコナ
モミジハグマ アキチョウジ
ソバナ
ヤマジノホトトギス キバナアキギリ
イブキトラノオ カワラナデシコ
オトギリソウ シモツケ
ツリガネニンジン ワレモコウ
ミシマサイコ イヨフウロ
ハクサンタイゲキ オミナエシ
ユウスゲ(キスゲ) イブキジャコウソウ
シュロソウ アキカラマツ
カワラマツバ コバギボウシ
タムラソウももう少し ネコヤマヒゴタイには少々時期が早い

イヌザンショウ ハナイカダの実
ネジキの実 スノキの実
ホツツジもやっと開花
フウリンウメモドキの実 タムシバには早来年の花芽が
きれいな実のついたヒロハヘビノボラズは群生
ヤマヒョウタンボクもよく見ればたくさん 結構多いクロソヨゴ
コミネカエデの紅葉? クジャクシダ


2004. 7.25