広島県廿日市市吉和 吉和冠山 (1、229.0m)・・・・
Part16
(深谷コース〜松ノ木コース)


冠山南側の沢沿いを行く深谷ルートに再挑戦

吉和の町からの吉和冠山展望



深谷コースは二度目の訪問であるが、このルートは明確な道はないのでほとんど歩かれていない。今日はAさんとともにこの谷を遡上して吉和冠山に向かい松ノ木峠に下ることとした。

深谷林道取付から岩の多い沢を登る
吉和冠山南側の深谷林道を詰めたところが取り付きであるが、ここからは道はないので植林の小木の中を適当に左の沢に向けて歩く。
しばらく歩くいて沢に下り易いところで沢沿いに出て、左岸の歩き難いところを避けて早めに石伝いに右岸に渡る。
すこし沢を高く巻いてササ床の樹林の中の歩き易いところを上流に向けて進むと両岸が次第に狭まってくるので沢沿いに下って再び左岸に渡る。

春も暖かさを増して足下にはユリワサビ・ヤマエンゴサク・ミヤマカタバミ・スミレサイシン・タチカメバソウ・ボタンネコノメソウ・コガネネコノメソウなどが元気に花を咲かせている。

ここからは岩の多い沢の左岸を遡上すると両岸が迫り、その奥前方に大きな滝が行く手を阻む。滝は二段になって約30mの高さを流れ落ちている深谷の大滝(大龍頭)である。豊かな雪解け水は迫力のある流れを見せていた。

ここは滝を登ることは出来ないので右の左岸から合流している支流の谷に道をとり滝の右側を大きく高巻くこととなる。
約50m行ったところの左側が登れるのでここから取り付くが結構な急登を登っていくと二段の滝の中間部に着き、さらに沢と並行に雑木の中を登っていくとやっと滝上に出て上流の沢が目に入る。沢は谷の奥に向けて荒々しい岩とともに延々と続いている。

ここから沢に向けて斜面を少しづつ下り、沢の中の歩けるところを選んで登っていく。
沢には渓畔林をつくっているサワグルミやシオジ・ケヤキなどが多い。

次第に沢は狭まり大きな岩も多くなってくるので歩き難くなるが足場を選びながら前に足を運ぶ。沢を巻いたり渡ったり、岩を登ったり下ったりしながら進むと小さな滝もいくつか現れて狭い谷間の間を通過していく。この辺りがこの沢の要注意場所だろう。
このようなところがしばらく続くが今日は天気もよく水も澄んでおり気持ちよく登れる。

次第に周りが開けて水の流れも緩やかとなつてくると一旦右岸に渡り、さらに進むと、なんとワサビ田がある。昔はこの周辺がずっとワサビ田だったのであろう。今は田の石積みも崩れてワサビが色々なところで花を咲かせている。今もここでワサビを育てているのかは不明。
ワサビ田の横を過ぎるとまるで別天地と言っても過言でないような広い谷間はまさに桃源郷である。気持ちの良い樹林のササ床が広がっており昼寝でもしたいようなところである。

このなかを登ると沢は大きな岩のごろごろした急斜面に突き当たるが、な・なんと。ここまで林道跡が別の方向からここまで続いているではないか。今は草も生えてしまっているが一体どこに続いているのであろうと思ったが後でこの謎は解けたのである。

ここから沢はさらに小さくなって水量も減り大きな岩が積まれたような急斜面の間を流れ落ちている。地図で確認するとこの急斜面を登るとあとは少し緩やかになるようなので、気合いを入れて登り易いところを探しながらこの斜面を登る。

これを登り切ると両側が大きな岩で囲まれた間を水は流れており、なだらかになった岩伝いに前に進むと岩が通せんぼ。左岸は登れないので右岸の急斜面を注意しながら樹林の中に向けて登るとこのルートの要注意箇所はここで終わる。


林道終点が取付だか、道はない 一旦沢に下って右岸に渡る
沢は歩けないので樹林を高巻して登る
両岸がせまってくるので沢におりて足下を選びながら進む
大龍頭(深谷の大滝)が前方の行く手を阻む
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左岸の沢から遠巻きをして登る、またこれが急登 滝を囲んでいる岩の上に立っている木
滝上から上流の沢、これからこの沢を進む
ごろごろした岩は歩き難い
ここを過ぎると谷も狭まってくる
ここら辺りから要注意
岩を除けながら遡上する
滝の左岸を注意して通過 相変わらず足下は悪い
小滝の横を巻いて進む
この辺りまで来ると少し楽になる 沢の周りが次第に広がってくる
こんなところにワサビ田が、まだつくられているのかは不明 左岸に分かれている岩の多い沢は枯れている
沢を詰めていくと次第に小さくなって谷が広がってくる
大きく広がった谷間は桃源郷のようだ
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沢の中に鎮座の大きなひとつ岩 岩だらけの急登を登る
急登の上部の岩 両側が大きな岩で囲まれている間に岩の多い沢が
岩が緩やかになったら右岸の急斜面を登る
層になった岩の壁は面白い 小滝が右岸から落ちている


岩場を過ぎて山頂に
ここから沢に向けて少し下って沢を渡り左岸のササ床の樹林に入る。
この辺りからブナも目に入るようになり、あとは沢に並行に樹林の中を登っていく。周りは雑木林や杉の植林と交互に見られる中を進むと足下にカタクリが現れてくる。

どういう訳かこの辺りだけ赤いテープがありルートを示している。
横を流れていた沢は小さくなりわずかな水の流れるせせらぎに変わっている。再びこの沢に戻り沢の中を進むがしばらく進むと水も無くなって枯れ沢になる。

沢筋は少し低く溝ができているのでこの中をどんどん登っていくと、沢の形も消えササ床の広大なブナ林となったところに立派な木柱と案内板があり「源流の碑」なるものが立っている。
源流の碑ってたくさんあるのだなあ、この尾根を越えた反対側にも中津川の源流の碑があったよなあ、と思いながらこれを横目で見てさらに稜線に向けて進むと、しばらくで冠山から松ノ木峠分岐の登山道にやっと出る。

これで今日の目的のルートの踏破は無事完了。あとはるんるん気分で冠山山頂に向かう。
今日は休日でないので人は登っていないだろうと思っていたが、途中単独行の若い男の人と出会う。登山道沿いはまだ雪が溶けたばかりのようでほとんど何もないがカタクリだけはたくさん花を咲かせていた。

冠山には誰もおらず静かな山頂である。特等席を陣取って二人でのんびりと昼食をとる。
今の時期は木の葉がまだ出ていないので眺めもよい。山頂からでも木間を通して遠くの山が望める。
展望台の眺めもいつもとは視野も広く左手には後冠山や額々山までも望むことができた。広高山の北斜面は白くまだ結構の雪が残っているようであった。

そして山頂に戻って周りの植物を見ていると、なんとオオツクバネウツギが黄色のかわいらしいたくさん花をつけているではないか。反対側にはツノハシバミの花も。何もないと思っていたのにこれはラッキー。


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岩の急登を登ると沢も穏やかな流れとなっている 沢に沿ってブナ林の樹林のなかをしばらく登る
再びほとんど水のなくなった沢を登る ついに枯れ沢となって樹林内を行く
一応沢筋、雨が降れば水が流れるのだろう 稜線に向けて枯れ沢を詰める
沢は消えてブナ林となる
そして、ここにも源流の碑が立っていた
その周りはブナ林
少し進むと松ノ木分岐と冠山頂間の登山道に出る 山頂への登山道
吉和冠山頂も木間を通して眺めがよい
山頂北西側展望(左から後冠山・額々山・広高山・大神ケ岳など)-下に続く-
山頂北側展望(左から五里山・高杉山・恐羅漢山・十方山・内黒山・女鹿平山・小室井山など)


山頂から松ノ木峠に下山
ゆっくり休んだ後、松ノ木峠に向けて下山開始。
途中まで往路を戻り鞍部の沢へ。この辺りにはまだ雪が残っている。登り返すと松ノ木峠分岐。道を左にとってブナ林の中を南に進む。

歩いていても周りが明るくて眺めもよく、いつもと全く雰囲気が違う。
足下にはカタクリが次々と現れ花もすでに結構咲いているではないか。ちょっと今年は少し早いのかなあ?

あれあれと思う間に展望台に着く。この辺りはいつも木の葉で壁がつくられているのに今の時期は全て遠くまでお見通しなので調子が狂ってしまう。
展望台からの眺めはいつもと変わらず正面に鬼ケ城山と羅漢山、そして下山口の松ノ木峠が下に見える。

どんどん下って行くが東隣の尾根から登ってきた深谷の上の方までよく見える。
登りにあった林道跡はどこから来ているのだろうかとよく見たらここでやっと分かって納得。

登山道の右側にカラマツ林が続いている。改めて見ると結構な数の木が植裁されていたのだ。
下るにつれて木の上にヤドリギがたくさん見られるようになる。そしてよ〜く見ると・・・なんと黄色の花をつけているではないか。実をつけているのはよく見るが花を咲かせているのは初めてだったのでここはゆっくりと鑑賞する。

下るにしたがい木々は緑を増して春の訪れを感じさせる。タムシバ・ダンコウバイ・クロモジなどが花をつけており、足下にはシュンランも。
イチヤクソウの葉が多い。その時期にはさぞかし素晴らしいことであろう。

クロモジの花で覆われた道を下っていくと、やがて民家があり松ノ木峠登山口に到着する。
今日は天気もまずまずでバライティに富んだコースを歩いて満足・満足の一日であった。


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冠山との鞍部の中津川源流を渡る 登山道は雪がやっと溶けた状態
松ノ木峠・寂地山分岐三叉路 ササ床の尾根道は落葉して展望がよい
尾根道のブナ林
展望台からの鬼ケ城山・羅漢山展望
尾根沿いのブナ
 今の時期はブナを通して隣の尾根までよく見える
カラマツ林の続く尾根下山道 ササの中に続く尾根道
今の時期ならではの下山道から振り返り見た尾根ピーク 松ノ木登山口に下山




 [ルート&タイム]

 深谷林道終点(830m)
  ↓0:20
 深谷の大滝(900m)
  ↓0:10
 滝上(950m)
  ↓0:45
 ワサビ田跡(995m)
  ↓0:20
 林道跡(1080m)
  ↓0:15
 急斜面上(1220m)
  ↓0:30
 源流の碑(1230m)
  ↓0:03
 冠山登山道(1235)
  ↓0:20
 冠山山頂(1339m)
  ↓0:30
 松ノ木峠・寂地山分岐()
  ↓0:18
 展望所(1230m)
  ↓1:10
 松ノ木峠登山口(795m)

 (注)標高・所要時間は概略参考 
    GPSトラックを記載
 



この山の植物たち
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ニワトコ ヤマエンゴサク
エンレイソウ スミレサイシン
タチカメバソウ ナツトウダイの蕾
ワサビ ミヤマカタバミ
ヤマシャクヤクの蕾 トチノキの芽
コガネネコノメソウ
ユリワサビ 何スミレ?
キブシ オオツクバネウツギ
ツノハシバミ カタクリ
カタクリの群落、もうこんなに咲いている
花をつけたヤドリギ ヤドリギの花
クロモジ タムシバもまだ残っている
ダンコウバイ シュンラン

ちょっと寄り道
ハルトラノオ


2004. 4.13