広島市安佐北区 高松山 (339.0m)    
Part2


2003.11.30
近場なから植物も豊富で楽しめる城跡の山頂は展望の山

可部の街からの高松山展望



高松山と言えば中世の山城で、熊谷氏が居城とした城跡として名を馳せており、県の指定史跡ともなっている。5月の大文字まつりで有名なところである。
見るからに要塞としてピッタリの急な斜面に囲まれた見晴らしの良い単独の山である。
登山口は可部高校のグランド横で、立派な案内板も設置してありすぐに分かる。以前はなかったイノシシ除けの柵と扉が登山口についていた。

道に沿って登り、墓所を過ぎると樹林に入って立派な石の鳥居がある。登山道は山頂下にある愛宕神社の参道ということか。
この時期、落葉樹は一部紅葉が見られるもののほとんど葉を落とし、アラカシ・シリブカガシ・ヤブツバキ等の常緑樹が多く登山道はその緑に囲まれている。
水の枯れた谷筋は岩の多いガレの道が続きあまり歩き易いとは言い難い。

この山は樹木の植生が結構豊富とあって、今日は植物を観察しながら登って見ようと言うことで、夫婦二人チンタラ登山。まさに左に右に上にと周りをキョロキョロの亀さん並の山登りに講釈つき。
鳥居を潜ると左に大きなエノキ、そして実は石鹸の代用になるエゴノキ。コバノガマズミはまだ真っ赤な実をたくさん付けて目立っている。
主な木には、以前はなかった名札がつけられており葉が無くても分かり易い。
おっと右には大きなナナミノキが、すでに実は無いが、名前の由来は実がたくさんつくから七実?それとも斜めの木?
与助丸井戸跡付近には丸い風船の上に穴の明いたキノコ、ホコリタケがたくさんある。潰すと胞子が真ん中の穴から煙の如く吹き出してまき散らすがすぐに元の形に戻るので面白い。
大きなイチジクのような実がたくさんついたシナノアブラギリ(アブラギリの実は先が尖っていない)と思われるものが何本もある。足下にもこの大きな黒い実がゴロゴロと。元来中国原産で油を採るために植えられたものが野生化したのであろうが、あまり見たことがないので珍しい。
ホウノキ・コナラ・ウリカエデなどの落葉樹は殆ど葉は落ちて足下は落ち葉で埋まっている。

登るにしたがいさらに足下はガレてくるが枯れた沢にも水場がある。どこから流れ出ているのが冷たい水で結構水量があるのには驚いた。少し上部に登ると再び水場はあるがこちらは水はほとんどなくてしみ出している程度。
珍しくムラサキシキブがあるものの実は二つしかついていない。少し離れたところにあったヤブムラサキにはたくさんの実が。
アブラチャンがちょうど紅葉も見頃と色づいて暗い谷間に火を灯したようだ。
道は谷間をジグザグに登っていくと谷を挟んで左右に分かれているが、ここは左に向けて山の斜面を進む。
道中周りの木々に巻き付いたつるに赤い実がたくさんついている。何だろうかと良く見るとサネカズラ(ビナンカズラ)ではないか。小さな実がいくつも集まってひとつの実をつくっており緑の中の赤はよく目につく。
ヤブツバキの多い岩海のうっそうとした樹林の中の道を行と、9〜10月に花をつけるリンボクの大きな木も。この木は今日二本目だ。
コシアブラ・タカノツメも多く黄金色に色づいた葉がまだ残っているものも多く美しい。
周りが明るくなってくると木々も少し低くなり落葉樹が多くなって三の丸跡の愛宕神社の境内に到着。
シャシヤンボの木が多く、たくさん黒い実がもぶれついている。
そして、広場の北にポツンと建っている小さな社がある。この辺りから山頂にかけてが昔の城跡のエリアとなっているようだ。

山頂への道は明るく、ヤブツバキの花も所々で見られ、シャシャンボ・ソヨゴの実も多い。山頂下の二の丸跡からは可部から広島の市街と瀬戸内海の島々・阿武山等が一望できる素晴らしい眺めが広がっている。
少し登ると四等三角点のある山頂に到着。なんと、あまりにゆっくりと登り過ぎて山頂まで普通の倍近く時間をかけてしまったが、周りをよっくり観察しながらのチンタラ山歩きなので植物の勉強をしたと思えばこんなのもまた楽しい。
三角点の横には、この城跡の説明板もちゃんと設置されており昔の名残がよく分かる。
しかし、登る度に山頂の周りの木は大きくなって視界が狭くなってしまっている。昔は大展望が広がっていたが、今は西に本串山から牛頭山の稜線・螺山方面と福王寺・堂床山から可部冠山の稜線くらいしか望むことができなかった。
少し北の広場まで本丸跡が続いており、一段下がってその向こうは鐘ノ段となっている。
そして、手前の一段下がったところから北に向かうと土居に下る道が続いている。
山城とは言え昔の人はよくぞここまで生活物資を運びながら住み着いたものであると感心する。

今日は予報では晴れであったが空はどんよりと曇って今にも雨が降りそうになってきた。
昼食をとって早々に往路を下山する。
なんと、登山口に下りたとたんにポツリポツリと落ちてきた。ああ良かった〜


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可部高校のグランド横が登山口 樹林に入るとまず立派な石の鳥居が
登山道は岩が多く歩きにくい タカノツメの紅葉
ナナミノキの大木 沢沿いの登山道は岩の多いガレ場
アブラチャンの紅葉のきれいな谷沿いの登山道 山の斜面の登山路
リンボクの大木 山頂手前にある愛宕神社の社
二の丸跡から南側可部から広島市街・阿武山展望
城跡の高松山の山頂 四等三角点
西側武田山、本串山・螺山展望
山頂本丸跡 北側の土居への下山道
山頂西側堂床山・可部冠山展望


 [コース&時間

 登山口(40m)
  ↓1:20(0:40)
 愛宕神社(310m)
  ↓0:10(0:05)
 高松山山頂(339m)
  ↓0:05(0:03)
 愛宕神社(310m)
  ↓0:40(0:30)
 登山口(40m)

 (注)時間・標高は参考値
   特に途中時間をかけてお 
   り( )内が前回の時間



山の
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クサギの実 コバノガマズミの実
シナノアブラギリ ムラサキシキブの実
シロダモ ヒサカキの実
ヤブムラサキの実 ソヨゴの実
ヤマイバラの実 ナツハゼの実
シャシャンボの実
サネカズラの実 ネジキの実
シキミり実 ヤブツバキ