鳥取県奈義町 那岐山
西仙・東仙コース
(1,195.5m)
2003. 4.17

岡山県では人気の山だが未だ残雪に苦労。目的のイワウチワには感激!の一日

那岐山頂と三角点展望



那岐山は岡山県下では人気の山だが、鳥取県側からは特に目的を持って登る人以外は登山者は少ないようだ。
しかし、こちらのルートは植物に興味のある者にとってはイワウチワ・サラサドダン・シャクナゲ等が多く四季折々大変興味深い道であり、今日はあえて往復560kmを車で走ってこのルートを選んだのである。
サラサドウダンは奈義町側大神岩Cコースにもあるがこちらのルートの方が素晴らしい。
今回はちょうどイワウチワが開花しているであろう時期を狙っての訪問だが、花の開花は年により大きく異なりどのような状態か気にしながら訪れた。

津山ICから国道53号線を走り、黒尾トンネルを抜けて鳥取県に入る。
峠を下ったところを那岐の集落に向け左に折れて、JR因美線那岐駅前を通って西宇塚の集落で踏切をわたりどんどん進むと林道は杉林に入り登山口に着く。
岡山県側の登山口のように立派な駐車場はなく、道端の空いたところに駐車する。車が一台もないところをみると、この登山口からの登山者はこちらだけのようだ。

今日は西仙コースから登り、東仙コースに下る予定なので、まずは林道の東仙コース登山口はやり過ごし、さらに奥に向けて進むと右手に西仙コース登山口がある。
まわりに、林道沿いにはフサザクラやミツマタ・カワラハンノキが花をつけ、足下にはミヤマカタバミ・エンレイソウ・ユリワサビ・セリバオウレン・ボタンネコノメソウ・コチャルメルソウ・ミヤマカタバミ等が目を楽しませてくれる。沢の流れの音とともに小鳥のさえづりまでも聞こえてくる。
ゴーロ橋の案内板にしたがって登山道に入り、これを登るとすぐに渓流コースと尾根コースの分岐があるが、気持ちのよい尾根コースを選択する。
これを登って杉の樹林を進むとミヤマカタバミが清楚な花を咲かせている。
今日の本命のイワウチワも顔を出してきた。まだ少し早いのかつぼみのものが結構あるが開花したものも多い。数日後位がちょうどど盛りだろうか。薄っすらと薄紅色をし、よく見ると雄しべは全て内側を向いているのに気がついた。
馬の背あたりから更にイワウチワが増えてくる。シャクナゲも多く見られるようになるが、大きな木ばかりで開花の時は下から眺めるのだろうか。花にはちょっと早くてまだつぼみも固い。木々の間からは白いタムシバが至るところで咲きはじめていた。アセビも多いがやっと花を咲かせたばかりである。ブナ・ミズナラ・ミズメ等の大木も多く見られるようになる。
急登が続き鎖もつけられている。岩と根っこがたくさん剥き出て歩き難い。
シャクナゲの峰は日当たりも良く、イワウチワが一面に咲いている。このような群落を見たのは初めてであったので、しばし堪能し、しっかりとカメラに収める。



鳥取県側登山口 西仙コースへの林道
フサザクラ ミツマタ
ユリワサビ ツノハシバミ
西仙コース登山口 渓谷・尾根コース分岐
ホタンネコノメソウ ピンクがかったミヤマカタバミ
セリバオウレンも終わりか エンレイソウ
尾根コース登山道は木の根っこに注意 尾根コース登山道鎖場

可憐!
今日の本命イワウチワ

シャクナゲの多いシャクナゲの峰 尾根道
岩にびっしりとイワウチワのつぼみが
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アセビはやっと開花したばかり タムシバもつぼみが開いたところ
ダンコウバイ シャクナゲもツボミ
ヤマグルマもよく見る ブナの芽吹き



まもなく避難小屋に到着し渓流コースと合流する。
小屋からは山頂方面を望めるが、まだ山頂は遙か遠くに見え、谷間には白い残雪が残っている。
避難小屋からは、ブナやリョウブ・アセビ、そして大きな杉の自然林を越えていくと広葉落葉樹へと変わるが、道が急なため滑らないよう気をつけながら登る。今日は気温も高く汗がほとばしり出る。
高度をどんどんかせぐと次第にミズナラの多い自然林の中を行くようになり、サラサドウダン・ホツツジの木が周りに多くなる。しかし、まだ時期が早いのでやっと芽が出たばかりである。
道には所々で残雪が現れ歩き難い。うっかりしているとズボリと膝まで埋まってしまう。
さらに進むと前方が開け、雪も消えササ原に出て滝山方面が見えるようになる。これから進む方向に那岐の家が望める。
次第に周りがよく見えるようになり、右手の滝山方面の稜線に目をやると、鳥取・岡山県境尾根が望め、北へ折れるピーク近くには休憩所も。その向こうに雪を抱いた蒜山そして大山までも一望できる。

そうこうしている内に那岐の家のある三角点に到着。東側に那岐山頂が間近に望める。
三角点付近で休んでいると二組の登山者が岡山県側から登ってきた。天気は良いし、展望も最高。南側には日本原高原を見下ろしながらの昼食とする。

お腹がいっぱいになったところで那岐山頂に向かう。一旦下って鞍部の避難小屋の横を通り、再び登ると那岐山山頂に到着。
山頂には二組の登山者が食事中であったが、声をかけて再び一休みをし、展望を満喫する。



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避難小屋から後ろはるかに那岐山が望める 周りはササ床で広葉落葉樹
多いサラサドウダンの芽 多いホツツジの芽
自然の杉林から広葉落葉樹の林に ササ床の自然林の中に入ると最初は道も広い
登るにしたがい登山道に雪が サラサドウダンの道
西側が開け森山への稜線、そして遠くに雪を抱いた蒜山・大山も望める
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稜線の那岐の小屋 三角点のあるピーク
三等三角点 三角点から森山への稜線
三角点が見た那岐山頂
南側には日本原高原と那岐の町が広がる
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那岐山頂 山頂から東への稜線には雪が



下りは一旦尾根に沿って東に進むが、なんととこの尾根道には多くの残雪があって歩き難い。下るにつれて雪は多くなりほとんど雪の上を歩く。
途中、岡山県側奈義町へと下るBコースが右に下っているが、さらに落葉広葉樹林のなかの尾根道を少し直進すると岡山県側菩提寺に下るAコースとの分岐にくる。ここで標識に従い鳥取県側智頭町に下る左前方の東仙コースに道をとるのだが、周りはすっかり雪に包まれて道が全く分からない。
地図と磁石とカンピューターで周りを調べて歩いて見るとずっと先にちょっと雪が溶けて道らしきものがチラッと見つかりこれを下る。
雪は相変わらず道を覆い通常の倍近く時間をかけてしまう。

山頂からずっと続いている気持ちのよい自然林が続き、周りにはブナやミズナラが多い。ただ、周りの木々は広葉落葉樹がほとんどで全く葉はなく、あと1ケ月後だと森林浴満点なのだろうがと思いながら下っていく。
いい気になってしばらく下ると道は丸太の階段になる。なんとこれが延々と続くからたまったものではない。段差が大きいので歩き難く少々厳しい。

やっと林道に出て、これを横切り一安心し少し行くと再び丸太の階段が現れる。こちらは階段ばかりだ。
周りの木々は標高の高いところではブナ、ミズナラが多く見られ、下るにつれて樹種も増えるが葉がついてないと名前もなかなか分かり難い。標高1000m付近ではブナ・ミズナラの他にミズキ・カナクギノキ・リョウブ・クロモジ等の他多くの木が確認できた。
下るにしたがってエゴノキ・アオハダ・ミズメ・スギ・タムシバ・リョウブ・サラサドウダン・アズキナシ・イヌシデ・アカシデ・ハウチワカエデ・ウリハダカエデ・アワブキ・ダンコウバイ・タムシバ・アセビ等と多彩な木本に、足下にはユキザサ・ツクバネソウ等まだつぼみは固いが見られるようになり標高が下るにしたがい楽しみも増える。

そしてこの東仙コースにもイワウチワワの群落はある。
途中の斜面一面に咲いているイワウチワがまたすごい。最後のお楽しみなのてじっくりと眺めて帰ろう。
西仙コースの群落地より標高が低いので既に満開。くたぶれかけている花もあるくらいで、感激のあまり何か一句出そうである。
見上げると、まだ白い花を開きはじめたタムシバがたくさん咲いている。足元のピンクの絨毯と頭上の白いタムシバ。おっとまだ木の階段の途中なので、楽しみながら歩いていると足を踏み外すので要注意。
ミヤマカタバミ・コチャルメルソウ等を見ながら最後の丸太の急坂を下れば、ようやく林道に出て緊張感がゆるむ。すぐそばでダンコウバイの歓迎を受ける。
東仙コースから登れば登山口からすぐにイワウチワの花の歓迎を受ける訳だが、これは最後にとっておくのがいいだろう。何しろ、最後までずっと続く階段、これを登るのは御免であるから。

しばらく林道の草木を楽しみながらを下る。沢沿いにはフサザクラも多かったがこちらは既に花は末期だ。おや、カツラの木もある。ホウチャクソウ・ヒトリシズカがこれから花を付ける準備中。キケマンがやっと花を開いたところだった。
そして、やっとこさ西仙、東仙コース合流点に到着し駐車場所に戻ってひと安心。
途中しっかりと植物観察をしたり、雪道だったりで通常の1.5倍位時間をかけてゆっくりと歩いた今日の山歩きであった。




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尾根道には残雪が多い 尾根道の雪は柔らかく歩き難い
さらに東に続く稜線と白い尾根道
岡山県側Bコースへの分岐 岡山県側Aコースと東仙コースの分岐だが雪で道は消えている
この辺りはまだ雪が多い 少し下ると自然林の中の道となる
いやな木の階段が始まる どこまでも続く木段
周りの広葉落葉樹は葉も全く出ていない
ツクバネソウもまだ小さな花芽 ツルシキミは赤い実をたくさん残している
ここを下ると中間の林道へ そして再び恐怖の木段が続く
コチャルメルソウもよく見るとかわいい ヒメモチ

再び感激のご対面!
イワウチワ 
これだけの群落は素晴らしい

クロモジも花を着けている アワブキの芽
東仙コース林道への下山口でやっと階段から解放 林道沿いに咲いたキケマン
渓流沿いにはカツラの木も 東仙コースと西仙コース合流点(左東仙・右西仙へ)




 [ルート&タイム]

 駐車箇所(620m)
  ↓0:20
 西仙コース登山口(640m)
  ↓0:30
 シャクナゲの峰(870m)
  ↓0:15
 避難小屋(930m)
  ↓1:00
 三角点(1220m)
  ↓0:10
 那岐山山頂(1240m)
  ↓0:25
 Bコース分岐(1205m)
  ↓0:05
 Aコース分岐(1210m)
  ↓0:50
 上部林道(900m)
  ↓0:40
 下部林道(640m)
  ↓0:15
 駐車箇所(620m)

(注)植物観察をしながらの時間で
  通常より多目となっている。
  稜線付近は雪が無いともっと
  短縮可。
  標高は参考値。