山口県岩国市 岩国弥山 (436.2m) 

山頂に四つの神社がある信仰の山への古道を歩く

岩国弥山の展望



文字通りの信仰の山である。山頂は昔の阿品村、瓦谷村、日宛村の境となつており、ここには阿品に弥山堂、瓦谷には赤滝神社、美和町の日宛には日宛神社(弥山本堂)がある。

昔の人はそれぞれの地域からこの山を通って行ききする色々な道があったようだが、現在はこの一部が登山ルートとして使われている。

山頂への主なルートは東側の阿品から、南側の杭谷から、そして南西側の荒瀬から荒瀬谷を登るコースが一般的のようである。最近では阿品地区から山頂まで車で登られる車道もできてお年寄りにも楽に行けるようになっている。

今回は阿品地区の表参道から尾根沿いに弥山に登り、柏木山への尾根道の途中から南側支尾根の東斜面谷の巻き道を下って杭名地区に降りる。
登りは距離は短いが急坂で岩が多く、下りは緩やかな坂道だか距離は長く樹林のなかを延々と歩く。

阿品の登山口へは国道2号線の錦橋手前の瓦谷から県道59号線を北に入るか、国道2号線の岩国ICを東に少し戻った下多田から県道59号線を北東に入り阿品地区に入るかいずれを通ってもよい。
川沿いにある簡易水道と地震観測施設が見えるとその横に登山口がある。

すぐ下流沿いには「弥山の名水」なるものもある。試しにちょっと口にしてみたがいつも水道水を飲んでいる者としては自然の水美味しさとはこういうものかと改めて感じた。

[阿品登山口から弥山山頂]
登山口は小さな石の鳥居で、その間をくぐ.るとすぐに急な坂道をとなる。足元は岩につけられた石段など岩の多い道で少し歩き難いが、よく整備されているのでそれほど苦にはならない。

ジグザグにつけられた道を少し進むと一丁の石柱と地蔵さんが並んで立っている。この石柱は山頂までの間に19丁あるようだが数本はあったのに気付かなかったのかよく確認できなかった。

岩が多く足場もよいとまでは言えない。周りは雑木に囲まれた中を登るのでほとんど展望もない。二丁、三丁と少し緩やかになるが、四丁から再び急な坂道となって滑り易いので気をつけながら登る。
七丁辺りから周りも少し周りも空が開けて明るくなるが相変わらず急な道が続く。
花の少ないこの時期、マルバハギはちょうど盛りで登りから下るまであちこちで美しい花を見せてくれ、山頂までの登山道沿いではところどころでミヤジマママコナが彩りをそえて心和ませてくれた。

十一丁は山頂までの中間点辺りにあり、以前は屋根つきの休憩所があったようであるが、今は崩されて土台だけが残っている。
ここから左手の眺めは切り立った岩壁や弥山山頂などを望むことが出来て休憩にもちょうど良い。

さらに少し進むと岩の道となり再び急斜面。これを越えると両端が切れ落ちた岩の尾根道が続くが巾もあり周りを松の木で足元近くが覆われているので恐怖感もないので気持ち良くまわりの眺めも楽しめながら歩ける。

十九丁辺りまでくると周りは雑木林に入り最後の登りにかかる。右、左と登り返すと目の前に石段が現れ、両側に石柱のが立っている弥山社に到着する。


・・・・・・・・・・
登山口の西寄り50mにある「阿品の名水」 登山口前の地震観測施設、ここを目標に
すぐ裏の登山口は鳥居の間 登って行くと一丁の石柱が
急な坂道が続く 石柱は一丁毎なので次々と
以前休憩所があった跡、今は土台のみ(山頂が展望できる) 足元にも岩が多くなる
岩尾根の上を登る 木々の上から周囲の眺めも広がる
石柱は山頂まで続く しばらく樹林を抜けると
急な斜面を左右に曲がり 阿品社の山頂が目の前に


〔弥山山頂の三社参り〕
登り着いた弥山社の境内の左手前には鐘突堂があり、振り返ると阿品の集落と遠く瀬戸内海も見下ろせるなかなかの眺めである。

昔の名残からこの山頂には三つの神社が並んでいるのは大変興味深いことだ。
まずは弥山社にお参り。三角点は草原の中にひっそりと立っていた。頭と地面が同じ高さなので標柱がないと見過ごしてしまいそうである。

少し進むと赤滝神社が。そして参道を少し下ると舗装された車道と駐車場がありお年寄りでも車で楽にここまで登ることができる。
その一角に花が咲いているので何かと思って見たら紫色のクコ。誰が持ち込んだ?のか雑草の中でたくさんの花を咲かせていた。

西側にある一段と高い石段を登ると日宛神社がある。この神社の南の一角に展望台とその下に休憩所が設けてある。
ここからは目の前に南から西側の展望が開けており、振り返ると木々の間から東側も一部望むことができる。
南から西側には阿品の集落とその後ろに瀬戸内海の島々、そして柳井から玖珂方面の山々が広がっているのが望める。北東側には三倉岳、大峰山などが確認された。


・・・・・・・・・・
弥山社に到着 鐘楼横にひっそりと三角点が
赤滝神社(弥山本宮) 赤滝神社への石段
赤滝神社参道から日宛神社を見る 日宛神社
展望台と下に休憩所が 展望台から見た弥山社
展望台南〜西側展望(左から瀬戸内海の島々、高照寺山、氷室山など)
展望台北側展望(左から三倉岳、大峰山など)


〔山頂から杭名登山口に下山〕
山頂三社の間にある広場で昼食を食べた後、尾根道を西側の柏木山方面に向けて出発する。下りは日腕神社石段横の杭名地区からの弥山参道をくだる。

杉の植林のなかに平坦な尾根道がつづき、柏木山分岐の三叉路では左側に道をとる。

下山道は南に伸びた尾根にそって尾根左側斜面をトラバース気味に緩やかに下っている。さらに進むと道が一部崩壊して歩き難いところもあり要注意。

道の周りは木々で覆われ展望はほとんどなかったが、途中左側が開けて弥山山頂から周りの尾根筋が眼前に広がったところに出る。しばし眺めを堪能。

下っていくと柏木山への分岐が再度あるが、これは杭名や荒瀬から登る人にはちょうど良さそう。

しばらくで左側に荒瀬地区に下る分岐がある。ここは「商人やすみ」とも言われていたところのようで、昔はここで休憩して山を越えていたようだ。
ここは左側の杭名への道を下っていく。
雑木や植林で覆われたなかを延々と下っていく。急な坂道はないが行けども行けども少しづつ下ってははいるが単調な風景が続く。
周りの岩場や斜面ではヒトツバがあちこちに群生したのが見られこの多さには圧倒される。

途中十二丁との石柱があり石で囲まれた水場があった。昔はここを歩く人達の水として利用されていたのであろうか。日照り続きの今はわずかな水しかなかったが未だに登山者も利用しているのであろう。

やっと昔は田んぼか畑だったと思われる石垣がつまれた植林地となり、人の匂いを感じるようになると道が二分するが、左に下ると瓦谷に右に真直ぐ進むと抗名に下るので弥山道となっている右に道をとる。

すぐに苔むしたコンクリート道に変わり、日陰で湿った上は滑り易くて要注意だ。

前方が開けて堰堤が見えると登山口も近い。登山道への取付を過ぎると舗装された道路に変わり民家も目に入る。
鳥居が見えると国道187号線に出る。石柱に弥山道と彫られていた。

登りは急坂の岩の多い道だったが、下りは緩やかな樹林のなかの下りが延々と続くロングコース。対照的な登山道であったが昔を思い出しながら気軽に登れて楽しめる山であった。


・・・・・・・・・・
柏木山への植林の尾根道に 柏木山への尾根から右に折れて尾根左斜面の緩やかな下りを進む
左側が開けて弥山山頂が一望できるこの下山ルート一番の展望台
柏木山分岐(右に柏木山、真直ぐ瓦谷の道へ) 商人休み(右に荒瀬への道と分岐)、真直ぐ瓦谷への道に
植林の中を延々と下る 十二丁の石柱のあるそばでは湧水を取っていたのか
登山道取付の堰堤から舗装道路に 杭名下山口、鳥居右に「弥山道」の石柱




 [ルート&タイム]

 阿品登山口(85m)
  ↓0:35
 休憩所跡(260m)
  ↓0:30
 弥山山頂、弥山社(435.2m)
  ↓
 日宛神社展望台(435m)
  ↓0:20

 柏木山尾根分岐(410m)
  ↓0:15
 柏木山分岐(410m)
  ↓0:05
 荒瀬分岐(380m)
  ↓0:50
 瓦谷分岐(103m)
  ↓0:10

 杭名登山口(20m)

 (注)標高・所要時間は概略参考 
   


草・木の花・果実
・・・・・・・・・・
マルバハギ ミヤジマママコナ
ヌマダイコン ヌマダイコン
スズムシバナ シュウブンソウ
ヒトツバ クコ
フユイチゴ ヤマジノギク
メヤブマオ イヌトウバナ
ヒガンバナ ハグロソウ
ノブドウ センニンソウ


もどる

2012. 9.23