山口県阿武郡阿東町 十種ケ峰   (988.8m)          


360度の展望が広がる山頂は素晴らしいの一言

登山道からの山頂展望



長門のマッターホルンとか長門富士と言われている十種峰。この山に登ったのは20年以上前であるが展望の素晴らしさには感動したものだった。
今日は西側の神角登山口から登り北側のスキー場に下山する。神角コースは以前は荒れて登る人もほとんどなかったが、地元の人々が整備して以来歩きやすくなり今ではメインルートとなっている。
最近は腰痛など体調もいまひとつだつたが、久しぶりにグループの例会に参加しメンバーと一緒に登った。

〔神角登山口から十種ケ峰山頂〕
神角のバス停から登山口の案内板にしたがって民家の間を抜け緩やかな登りからすぐに樹林の中。イノシシ除けの鉄網の柵を通過すると薄暗い山道にはいる。

堰堤を見ながら小さな流れを渡ると道は杉林の山の斜面を左にトラバースしながら登る。少しは紅葉が始まっているかと思ったがウルシやコシアブラが少し色づき始めている位でまだちょっと早いようだ。
足元に咲くキバナアキギリ、アキチョウジ、ヤマシロギク、色づいたイヌタデなどすでに秋の草花がお出迎え。

杉林から自然林とめまぐるしく変わり気持ちのよい雰囲気のなか急坂がしばらく続く。再び植林に入ると傾斜も少なくなるが鬱蒼とした広大な杉林の登りは味気ない。気がつくといつの間にか何か出てきそうな薄暗い広い谷あいの道に入っていた。林床は緑も少なく何だか異様な雰囲気だがこの辺りから可憐なツルリンドウの花があちこちで目にはいるようになる。

空が広がっと思ったら、地図にない未舗装の林道に出たところで小休止。
ここからがこの山の見どころ。右斜面の山道にとりつき登っていき小さな支尾根を越えて少し下ると周りは一変。覆っていた樹林から飛び出し広々としたササ藪の中の道に変わる。

草の生い茂った湿地らしきところを過ぎて明るい尾根の快適な道が続く。
足元にはベニバナボロギク、イヌタデ、ハナタデなどの草花がオンパレード。ツルウメモドキ、クマノミズキ、マユミ、コマユミ、アサクラザンショウ、スイカズラ、アキグミなどの木々も赤青黒とたくさんの実をつけてこれまた美しい。そしてササ床のなかにコナラやクヌギが生えている眺めはこれまたなかなかの景観だ。
登るにつれて遠くの山々も目に入るようになり行く手には山頂が迫って見えるようになるがまだまだ遠い。

突然林道に出るとそこには「権現社」と記された真新しい石の鳥居が立っていた。ここまで林道も通じているようだ。ここで2回目の休憩。

5分ほどで左側にスキー場からの登山道と合流している広場に着く。
ここから山頂には3つのコースが設けられているようだが、一番楽そうな熊野神社経由のコースを登る。潅木から抜け出すと笹原の斜面を登る。
この一帯の笹はチシマザサ。山地に群生する大型の笹で上部でのみ枝分かれする。花は約60年に一度と滅多に咲かず、咲く時は群落全体が咲き実ができた後枯死してしまう。
タケノコは山菜として人気があるので春に登ることがあれば頂いて試食してみてはいかが。

最後の登りは結構な急坂だが歩幅の全く合わない階段が続きちょっと歩き難い。
途中赤い小さな鳥居が杉の木の下にちょこんとあるのが「熊野神社」。石で作られた素朴な祠と縁起について書かれた案内板がある。
これによると熊野神社は古くから地震・雷災害からの鎮守として信仰を集めていたものだが、最近は交通安全の祈願の対象らしい。

足元のセンブリ、ヤマハッカ、フシグロ、ノダケなどの花を楽しみながら登っているとしばらくで山頂に到着。
360度の展望は素晴らしいの一言。ちょうど麓の田園をSL山口号が煙を吐いて通過したそうだが残念ながらこれは見損なった。
一等三角点と立派な展望案内板が鎮座しており名だたる山々も一望できる最高の眺めだ。

東のきれいな丸い山は青野山、その麓が津和野の町。西に見える立派な山は大蔵岳でちょっと登って見たく山である。眼下には神角の集落が箱庭のように見えた。笹原の尾根もすばらしくきれいで大満足の山頂展望であった。
少し風が強かったがササ原の山頂では避難場所もなく寒さをこらえての昼食をとる。


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登山口 登山口案内板
樹林の前にはイノシシ除けの金網・・・必ず閉めよう 登山道に入ると樹林のなかに
植林で覆われた広い谷を真直ぐな道 ここから左に登ると林道に出る
林道を横切るように再び左側の登山道へ 周りはササ床の中の道に
なだらかなササの中の道は明るく気持ちがよい 突然林道に出ると
権現社の鳥居 スキー場への三叉路からの山頂展望
三叉路にある案内板 山頂へは左右二つのコースが、ここは右へ
熊野神社祠 最後の登りは段々が続く
360度展望の十種ケ峰山頂、三角点と案内板が設置 一等三角点
山頂西側展望(八幡ケ迫山、白浜山など)
山頂南側展望(野道山など)
山頂東側展望(左から法師山、鳶の子山など)
山頂北側展望(高峰山、青野山など)

 
〔山頂から林道をスキー場管理センターに下山〕
眺めを堪能したのち下りは北側のスキー場管理センターに向けて一旦往路をスキー場分岐の三叉路まで下る。

案内板のある三叉路から道を右にとり山頂の展望からおさらばし、雑木のなかの平坦な道をスキー場方面に進み舗装されたマイクロウエーブへの林道に出る。
スキー場からも下ることができるがちょっと急坂で歩き難いこともあり今日は林道をくだることとする。舗装道に沿って少し下ると権現社鳥居や別のマイクロウエーブへの林道と合流する三叉路にでる。

ここからは右に曲がりあとは道なりに下ると管理センターまで続いている。歩きやすいが面白味はと言うといまいちだろう。
スキー場となっているところはススキが覆い茂り陽をあびて美しく輝いて見えるが、その他のところは樹林に覆われて展望もない。

最後に林道が大きく迂回する手前でちょっと助平根性を出しスキー場内をバイパスして下る。まさに直滑降で瞬く間に数十mをあっと言う間に下ってしまった。草原にはサラシナショウマの群落が未だ花をつけ、タンナサワフタギやカマツカなどの実も満開で結構面白かった。

スキー場周辺の施設は今は時期外れのため全て閉鎖。早々に退散する。
この山は単独峰であるだけに笹原のこの山は最高の展望で久しぶりに気分爽快な山登りを楽しむことができた。
満足、満足の一日であった。

 

        
三叉路を右に道をとる ・・・・・・・・・・ 平坦な道がマイクロウエーブへの道まで続く
マイクロウエーブへの道から林道合流の三叉路 三叉路にある案内図
長〜い林道を下る スキー場はススキの原で美しい
スキー場下にある野外活動センター展望 林道の終点、野外活動センターへの三叉路

 [コース&時間

 神角登山口(380m)
  ↓0:35
 林道(700m)
  ↓0:35
 鳥居(850m)
  ↓0:05
 広場三叉路(875m) 
  ↓0:15
 熊野神社(970)
  ↓0:03
 十種ケ峰山頂(988.8m)
  ↓0:12
 広場三叉路(875m)
  ↓0:05
 スキー場上分岐(850)
  ↓0:03
 林道三叉路(830m)

  ↓0:50
 スキー場下分岐(670m) 
  ↓0:07
 林道取付(580m)
  ↓0:03
 スキー場PA(550m)


 (注) 時間・標高は参考値
 ・・
   



山の
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アキチョウジ サラシナショウマ
ベニバナボロギク ツルリンドウ
タデ サイヨウシャジン
ヤマハッカ ノダケ
センブリ フシグロ
ナギナタコウジュ イシミカワ
アオミズ サンインヒキオコシ
サラシナショウマ カナクギノキ
アキグミ スイカズラ
ツルウメモドキ クマノミズキ
マユミ アサクラザンショウ
タンナトリカブト チマキザサ


2011.10.17