島根県六日市町 安蔵寺山 (1,263.2m)

2003. 5.18


新緑豊かな広葉落葉樹林の続く春の安蔵寺山は素晴らしい山

春の安蔵寺山の遠望



今日は朝から良い天気の登山日より。島根県の六日市町・日原町・匹見町にまたがる島根県一の高峰である安蔵寺山に登る。
今日のルートは日原町の奥谷コースを尾根に沿って山頂へ登り、伊源谷コースを匹見町に下る。結構長いロングコースであるが春のこの時期は新緑も美しく期待も多い。
広島からは結構時間がかかり、この山へ着いたのは10時20分となってしまった。早々に奥谷登山口の駐車場を出発する。



登山口案内板



峠までの登山道はミズナラやサワグルミ等の多い新緑に囲まれた広葉落葉樹に覆われて清々しい春の息吹を感じさせる。
この登山道沿いに多いラショウモンカズラやホウチャクソウは既に花もほぼ終わりを告げ、ツルカノコウやシャク・オトコヨウゾメ等の白い花が目立っている。チゴユリも今が盛りと可憐な花をつけている。
ジグザグの樹林の中をゆっくり歩いて約20分弱登るとお地蔵さんのある打原峠に着く。左に行けば約20分で燕山だが、少々時間も遅いので予定をカットし、右に道をとって安蔵寺山への尾根道に向かう。

ここから山頂までは、ブナ・ミズナラ・サワグルミ・トチノキ・アシウスギ等の巨木の多い樹林の中を約5km弱のアップダウンの多い稜線歩きである。
さすがにこの辺りの山に来ると樹相も豊富。カエデ類も多く落葉広葉樹林の秋の紅葉はさぞかし素晴らしいことであろう。
足下を見ると標高を上げるにしたがいユキザサの白い花も多くなってきた。ホウチャクソウもちょうど盛りに変わる。ヒメナベワリもかわいい花をつけている。
ブナの大木も多く見られるようになり、登山道は多くのブナ・ミズナラ・トチノキの大木等がちょうど陽を遮ってくれるので気持ちの良い尾根歩きができる。
最初のピークは高鉢別れ、これから先も登ったり下ったりの繰り返しが続く。次第にアシウスギも多く見られるようになり、木々の大きさに圧倒されるなかを新緑の美しさを堪能しながら進む。
やっとコースのほぼ半ばの鞍部で県の天然記念物となっているミズナラの巨木に到着。なんと巨木の上部の枝が分かれたその間にユキザサが何本も花を咲かせているではないか。
鳥の仕業か?面白い。



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峠へは美しい樹林の中を行く 打原峠
木段のある尾根道
気持ちの良い尾根歩き
ブナ・ミズナラ等の大木が続く
ブナの大木 トチノキの巨木
ササ床の樹林帯
スギ林の尾根道 巨木の上にユキザザがたくさん咲いていた
ミズナラの巨木



さあ、ここから山頂はまだ遠い。再び登っては下りの繰り返しか続く。
森林浴満点の道を行くのであまり疲れを感じさせないが、少々暑いので汗がほとばしり出る。
芦谷からの合流点を過ぎると、次第に周辺にスギも多くなって林床にはササが多く見られるようになる。右手の木間からは西の山並みが所々で見え隠れ。周りにササが多くなってくるともう一踏ん張りである。
北峰を過ぎて山頂北隣りのピークからは安蔵寺山頂も望めるようになる。一旦下ると鞍部の寺床。昔はここにお寺があったという。今はササ原の中の一部に湿地が残っておりバイケソウの群落が見られるが花はもう少し先を待たなくてはならないようだ。
再びミズナラの多いササ床の中の最後の坂道を登るとやっと山頂に到着する。

山頂はというと、今日は日曜日で天気も良いので登山者も多い。たくさんの人達が思い思いに休んでいる。
こちらも山頂到着が少し遅くなり13時を過ぎてしまったので、早々に昼食をとる。
山頂からは南東から南にかけて展望が開けているが、やや霞んで平家ケ岳などの山はシルエットで望める。山頂の岩の下には安蔵寺観音が静かに立っていた。
山頂のブナの新緑か美しい。周りに多いマルバアオダモ(鋸歯から見て)が白い花をたくさんつけている。周辺にはミツバツツジが多い。良く見ると雄しべの数や顎の毛等からダイセンミツバツツジであったが、まだたくさん花を残している。ウリハダカエデも目立たない花をつけて最盛期。



新緑がどこまでも続く
新緑のトンネルを行く尾根道
尾根道から遠く山頂も望める
奥谷コースの所々にある案内標識 安蔵寺北隣のピーク
安蔵寺隣のピークから山頂も望める
山頂手前の鞍部寺床
最後の登りはササ床のブナ・ミズナラの樹林帯
安蔵寺山頂 二等三角点
山頂のブナ 山頂の岩の下にある安蔵寺観音
山頂南東から南展望



他の人達も下山をはじめたので、こちらも早々に下山開始。
下りは南に道をとり、少し下った展望台で展望を満喫。伊源谷のルートへと向かう。
急な坂道が続くが周りの樹林の新緑は相変わらず素晴らしい。
そのうちに登りでは見られなかったイワカガミが多く見られるようになる。赤い花が多いなと思っていたら、白い花の大群落。この後見られたのは再び赤ばかりであり、どうしてここだけ白いのかよく分からない。
狼岩は周りにブナの木を抱いてなかなか見栄えがする。その横を通って下りて後ろから見るとダイセンミツバツツジの群落が岩のほとりで咲き誇っていた。
さらに樹林の中の急坂は続く。前方に見えるのは天狗岩。大きな岩が再び現れ、このコースもなかなか趣がある。
イワカガミに加えてコケイランも多く、どんどん下って行くと、おっと珍しいサルメンエビネが楚々と咲いている。盗掘されないことを願って、さらに下ると次第に両側の沢が迫りユズリハの木が多くなる。
下ったところが左右の沢が合流する手前で、左の沢を左岸に渡る。

今回同行の地元のNさんが役場の許可を得て、昨日登って沢に丸太の橋をつけてくれてたそうだ。ご苦労さま。
澄んだ美しい水の沢で一休み。顔を洗うとひんやりとして気持ちがよい。
さらに沢の左岸に沿って歩き難い道を下っていくと、再び沢を右岸に渡る。ここにも丸太の橋をNさんはつけてくれていた。橋がなければ水に浸かって石伝いに渡らなければならなかったであろう。感謝の一言。
沢の右岸に沿ってどんどん下っていくと、やがて林道の終点に出る。ここには朽ちた登山口の案内標識が。

なだらかな林道は、県道まで約3km続いているので結構歩かなければならない。
林道沿いはほとんどが植林となっているが雑木も多いので楽しめる。ヤブデマリの白い花が多く目立っている。この辺りまで下るとトチノキも花をつけている。
同じような道を相当歩いてやっと舗装道路に変わり集落に入ると直ぐに県道だ。到着したのは、はや時刻は16時を過ぎていた。
少々長旅でくたびれたものの、今の時期の安蔵寺山は素晴らしい新緑の山であった。

そして、道中での本日の最大の収穫は、色々な草花に混じってあまり目立たないところで一本のランに出会った。場所は言えないが、初めて見るこのランに心がどよめく。葉は卵形一枚で高さは10数cmで先にひとつ花がついた、イチヨウラン?。あまり見かけたことがなく写真に撮って帰って再調査してみることに。その結果はイチヨウラン(一葉蘭)に間違いないことが分かりまたまた感激。何時までも盗られることなく咲き続けてほしい。



展望台案内板
展望台から南から東方面展望
下山道急坂沿いの樹林
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狼岩上部 狼岩下部
天狗岩
下山道周りの樹林の新緑も美しい
尾根道下山道 両側から沢が迫った樹林内の下山道
上流の沢の下山道丸太橋 左岸沢沿いは足場が悪い
左岸沢沿いの道 下流の沢の下山道丸太橋
右岸沢沿いの下山道
伊源谷林道終点登山口 伊源谷林道
伊源谷林道 匹見町伊源谷登山口



 ルート&時間


 奥谷登山口(760m)
  ↓0:25
 打原峠(891m)
  ↓1:00
 高鉢別れ(1135m)
  ↓0:30
 ミズナラの大木(1095m)
  ↓0:35
 芦原分岐(1235m)
  ↓0:30
 安蔵寺山頂(1263.2m)
  ↓0:05
 展望台(1210m)
  ↓1:10 伊源谷コースへ
 沢(820m)
  ↓0:15
 林道終点(760m)
  ↓0:40
 伊源谷登山口(510m)

 (注)時間・標高は参考値 







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ミヤマガマズミ テンナンショウ
ラショウモンカズラ ヒメナベワリ
タチシオデ アオマムシグサ
ツクバネソウ(5葉) ギンリョウソウ
ニシキゴロモ ホウチャクソウ
ユキザサ オククルマムグラ
タチカメバソウ ハクサンハタザオ
イワカガミ イワカガミ
イワカガミ
チゴユリ シュンラン
サルメンエビネ
クルマグルマ ヒメレンゲ
コケイラン

イチヨウラン

 
オトコヨウゾメ ツリバナ
アサノハカエデ マルバアオダモ
ウリハダカエデ ダイセンミツバツツジ
アズキナシ コマユミ
クロタキカズラ ヤブデマリ
トチノキ