広島県戸河内町     (1,177m・1,346.4m)
2002. 10. 20
広葉落葉樹林の稜線はすでに色づいていたものの、雨天で紅葉の美しさもいまひとつ。

恐羅漢山のブナ




今日の天気予報は午後から雨。空はどんよりとした雲に覆われて今にも雨つぶが落ちてきそう。内黒峠付近から見た恐羅漢山も砥石郷山も稜線はガスで隠れてしまっている。

牛小屋高原にあるスキー場の駐車場から北西に延びる立派な道が登山口。樹林のなかに緩やかな登りが続いている。木々も色づきはじめ、来週くらいからが紅葉の見頃となるのではと思われる。すでに登山道は落葉に覆われてさくさくと枯葉を踏みしめる音が絶え間なく続く。
しばらくは雑木林が続くがブナが現れると尾根も近い。
恐羅漢山と砥石郷山の鞍部にある夏焼峠には立派な標識があり、昔から登山道としての重要なポイントだ。西に下ると中の甲林道にも下ることもできる。

ここはまず、北に道をとり砥石郷山へ。少し行くと右へ尾根への分岐があり見落としそうな古い小さな標識がある。立派な道を真っ直ぐ進むと中の甲林道の登山口に下るので要注意。
ササに覆われた急な道が続く。頭上をみると珍しくカラマツの木が少し色づいてたくさん見られる。
さらに落葉広葉樹の林が続き、しだいに空が広がってくると砥石郷山前衛のピークに到着。
晴れておればここから一大展望が開けるところだが、今日はガスが深く全く何も見えない。
カワラナデシコの残り花が一本、雨に濡れて鮮やかな色を見せていた。


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夏焼峠への登山口 登山道も落ち葉で埋もれて歩き易い
夏焼峠から砥石郷方面への道 尾根道にはいるとカラマツの林が
1160mのピーク ピークからの北の展望もガスでゼロ

砥石郷山へはこのピークから急な道を一気に下り、再び落葉広葉樹林のなかへ。ガスがかかって遠くの木はシルエットとなり神秘的な美しさでこれもまたいい感じ。
一旦鞍部まで下ると、再び急な登り道。これを登りきると三つの小さなこぶを通る緩やかな上り下りの続く尾根道だが展望は全くない。
真っ赤に色づいたヤマブドウやウリハダカエデ・ヤマモミジ。黄色はクロモジ・コシアブラ等、色とりどりの木々が色の競演だが、まだ最盛期とまではいっていないようだ。
リンドウの花も足下を見ると結構多いものの今日は晴れていないからか全て花びらを閉じている。
最後の登りが終わると「魔の池」。どうしてこんな名前がついたのかは知る由もないが、一応湿原となっており葦がたくさん見られる。水はほとんどないがモリアオガエルがたくさん卵をつけるそうだ。落ちてもおたまじゃくしは生き延びられるのだろうか。
これを過ぎると少しで登山道横の小さな広場の真ん中に二等三角点のある砥石郷山頂に到着する。一見山頂らしくない山頂であり展望はない。
道はさらに田代に向かって周りがササに覆われた道が続いており、少し行くと周りも開け深入山が目前に広がる展望の良いところであるが、今日はここからも全く何も見えない。道沿いには、まだアキノキリンソウ・リンドウ・カワラナデシコ・ボクチアザミ等が最後の花を残して待っていてくれた。
雨も降りそうになってきたので少々早い昼食をとってしばし休憩していると、予報どおりポツリポツリと落ちてきた。

これは長居は無用。早々に雨ガッパをつけて下山開始。尾根伝いに往路を下る。道も滑りやすく要注意。
再びピークを過ぎて急坂を下ると夏山峠に着く。

ウリハダカエデの紅葉 ヤマブドウの紅葉
周りの樹林もすでに紅葉
紅葉の混じった樹林の中を真っ直ぐにのびる登山道
ブナの大木も紅葉もガスに覆われいまひとつ冴えない
ガスがかかって視界は100m位か 気持ちよい登山道
ブナ林のヤマモミジの紅葉
モリアオガエルもいる「魔の池」の湿原
砥石郷山頂三角点は登山道の横 さらに北の田代へ延びる道

ここからは、恐羅漢山に向かっての長〜い上りが続く。しかし、一旦ピークに登ってからは急な道はないのでそう苦にはならない。雨は依然として降り続くがカッパは暑いので脱いで傘をさして登る。
この尾根道は島根県との県境である。左の広島県側は50年位前に伐採された二次林だが、右の島根県側はブナの原生林がそのまま残っている。ブナの大木も広島県側の伐採による土地の乾燥と厳しい気象条件にさらされ枯れているものも多い。
今日はこれらのブナ木々もシルエットとなっていつもと違った趣を見せている。
下りにこの道を使うとあまり時間を感じないが上りだとなかなか長く感じる。進むにつれてアシオスギの大木がところどころで見られるようになり、周りがサワフタギの木に覆われるようになると道も平らになって山頂も近い。
スキー場ゲレンデ登山口への分岐を過ぎるとしばらくで恐羅漢山頂に到着する。30年前に登った時からある古株の展望台が今も残っているので登ってみた。周りは展望も全くないガスのなか。足下のクロズルの群落もすでに黄色くなって枯れていた。

夏焼峠から恐羅漢山への尾根道 登山道沿いのササ床に紅葉が美しい

ブナ林4景

ブナ林沿いの登山道を行く
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倒木もあるブナ林の登山道 ブナ林にアシオスギが混じりはじめると山頂は近い
ゲレンデへの道との分岐三叉路 恐羅漢山頂は人もいない静かな山頂

今日はここまでと言うことで、旧羅漢山には行かず下山開始。
下りはスキー場ゲレンデに向けて足場の良いとは言えない雑木林の斜面を下り、ゲレンデ上部の草原に出る。スキー場は草も刈られて冬の到来に向けて準備万端のようだ。
春はササユリの咲き誇る道を経て、スキー場沿いの道はいやな木段が続く。
登山道を横切って新しいスキーコースが新設されおり一年前とはまた大分様子も変わっている。
登山口に着く頃には雨もひどくなったが、道中は雨も小降りでまずまずの一日であった。雨の山歩きも、晴れた日とはまた違った風情を見せてくれ、こんな山登りもたまにはいいものだ。

尾根からスキー場への下山道 スキー場ゲレンデに沿って下ると登山口へ





 [ルート&タイム]

 スキー場駐車場登山口(750m)
  ↓0:30
 夏焼峠(925m)
  ↓0:25
 ピーク(1,166m)
  ↓0:25
 砥石郷山頂(1,170.0m)
  ↓0:20
 ピーク(1,166m)
  ↓0:15
 夏焼峠(925m)
  ↓1:00
 スキー場分岐(1,290m)
  ↓0:05
 恐羅漢山頂(1,318.9m)
  ↓0:05
 スキー場分岐(1,29m)
  ↓0:25
 スキー場駐車場登山口(750m)

(注)標高・所要時間は概略参考
 



この山のの残り
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イナカギク カワラナデシコ
ボクチアザミ キクバヤマボクチ
まだ残っていたツルニンジン アキノキリンソウ
みんな花を閉じたリンドウ
ルリ色の実はサワフタギ かわいいコマユミの実
ムラサキマユミか 実のついたイボタノキも多い